京刺繍で表現した凛と美しい塩瀬九寸帯のご紹介です。
柄行はすべて京刺繍でほどこされた、大変贅沢な仕上りです。
少し右寄りに配置して洒落感を出したやわらかな輪郭の円に、彦根更紗の鶏頭手の2柄を金糸であしらい、中央には想像の更紗模様をほどこし、その間を、極楽鳥3羽が優雅に舞う、繊細さと華やぎがともに感じられる意匠です。
前帯は、片腹で、花を一輪くわえた極楽鳥を含む3羽が自由に飛んでいる姿のみで仕上げています。無地場が多いためすっきりとした印象で、帯締めの彩りでさまざまな表情をお楽しみいただけます。
地色もこだわりの色味で、墨色、青、赤、緑、黄を絶妙に混ぜて、深みの中に現代の時流にフィットしたクールな気品を醸し出す彩りを追求されたそうです。
刺繍ならではの繊細な存在感と、文様の醸し出す風格、地色の気品が、九寸帯ながらよそいき風に楽しんでいただきたい高級感のある帯姿を期待させる帯です。
色無地や江戸小紋、小紋、きれいめの紬に合わせて。
お正月の観劇や新年会にもおすすめです。