作品名:「鱗文」
ひとつひとつの点や線を手作業による筒糊で置いていくという、気の遠くなるような技法で創作された作品です。
点の密度や線の抑揚・隙間、線の交差による奥行き表現のみで、水や風の流動する姿や植物の葉や枝が動く様子など自然のダイナミズムを豊かに表現しています。友禅作品全体でみても、点描のみで表現された作品は希少です。
師・人間国宝中村勝馬氏の「商業主義にとらわれず、時流との妥協をできるだけ避け、 最小限度の生活ができる範囲で自分の道を進む」という硬派な思考を受け継ぎ、 お一人でストイックに仕事をされ、独自の世界感を追求し続ける一方、 日本工芸会にて、後進の育成にも注力。それゆえに制作数が大変少なくいらっしゃいます。
【作家産地】「高橋寛」ご紹介