琉球紅型の第一人者・城間栄順さんのご子息で、工房の16代目である城間栄市さんによる帯作品のご紹介です。
第二次世界大戦後の沖縄で、焦土の中から紅型を復興させた祖父の城間栄喜氏。
その遺志を継いで紅型の普及に情熱を傾け、琉球の美しい自然を表現し続ける父の城間栄順氏。
16代目の城間栄市氏もまた、一度は途絶えた幻の技法「紅入藍型(びんいりあいがた)」を甦らせるなど精力的に活動され、日本伝統工芸展等で数々の入選を重ねられています。
「天のスク」と題された作品です。
「スク」とはアイゴの稚魚。塩漬けにして作られる沖縄の珍味「スクガラス」としてご存知の方も多いのではないでしょうか。島豆腐の上に乗せて食べることでも知られている魚です。
まるで沖縄の青い海をスクたちがすいすいと気持ちよさそうに泳ぐ姿を映したようなデザイン。
色彩の鮮やかさに心奪われずにはいられません。
素材はさらりとした紬地で、単衣から袷まで長く楽しめるのも魅力です。
城間栄市さんならではの遊び心あふれる感性をぜひお楽しみください。