『織繧繝(おりうんげん)』
織りの密度を微妙に変えながら立体的に文様が織り出され、北村氏の作品ならではの「組織を味わう」楽しみを満喫いただけます。
※繧繝とは…同じ色を濃から淡へ、淡から濃へと層をなすように繰り返す、中国伝来の彩色様式。
袋帯「織繧繝 市松魚々子縞 薄緑×紺」
「魚々子縞(ななこじま)」は、表面が粒だって魚卵のように見える織り方の名称。斜子織、七子織とも書きます。シンプルな意匠性でありながらも、その糸の表情は細かな凹凸を携え、光があたると畝が光沢となって浮かび上がり美しい奥行きが演出されます。こちらはさらに市松に色を変化させた存在感のある意匠。金銀糸は使用せず、薄緑×紺の濃淡で表現されているため、やわらかものはもちろんのこと、絵羽紬や上質な紬にも最適です。
人間国宝 北村武資
1995年『羅』/ 2000年『経錦』 重要無形文化財保持者(人間国宝)認定
1935年京都市生まれ。15歳から西陣で織物を学ぶ。古代に発展し途絶えた織り技法を独学により復元し、日本国内染織作家の中で唯一、2つの技法で重要無形文化財保持者に認定。1996年紫綬褒章、2005年旭日中綬章 受章。銀座もとじにて2022年2月人間国宝 森口邦彦氏と二大巨匠展開催。2022年3月永眠。
【作家産地】「北村武資」のご紹介
【和織物語】「深遠なる空間の美―北村武資の織」