透けるような薄さ、軽さ。
「越後上布」は、日本を代表する上布として「東の越後、西の宮古」とも呼ばれる極上の夏着物です。
現在、重要無形文化財の認定を受ける「越後上布」の年間生産反数わずかか20~30反程。特に、原料となる苧麻糸を績む人が激減して、生産反数が減っていて、近い将来には「幻の布」になると言われています。
今回ご紹介いたします越後上布は、経緯糸ともに紡績の苧麻糸で高機で織り上げられたお品です。
伝統的ですっきりとした白の「亀甲」ですので、男性、女性、ご年代問わず長く楽しめます。
自然布の帯も最適です。夏ならではの贅をお楽しみください。
※生地巾<(外巾)約1尺5分(約39.8cm)>ございますので、裄の長い男性にもお役立ていただきうきやすい仕上りです。
「越後上布」について
越後上布の歴史は古く、1200年前から織られている日本最古の織物です。「北越雪譜」には、「雪中に糸となし、雪中に織り、雪水に濯ぎ、雪上に晒す。」 と詠まれているほどで「雪の中から生まれる織物」とも言われています。昭和30年5月、国の重要無形文化財、第一号の指定産地として越後上布の緯糸は撚り合わせて作りますがそれでも一反分を仕上げるのに約3ヶ月。経糸は一本ずつを結び合わせるため出来上がりまでに7ヶ月もかかります。経糸作りの方が熟練した技術が必要で、その職人がいなくなってきています。
その糸の細さは一目瞭然。長さを揃えて刈った苧麻の皮を裂いて作る糸は、その年の気候と職人の技術が問われます。
また、越後上布の特徴は苧麻の栽培が一毛作であることにもあります。土の栄養が1回に凝縮されるため、他の上布とは別格とされる、やわらかくしなやかな糸が作り出せるのです。
特徴として有名なもうひとつは「雪晒し」です。白地の越後上布は3~4月の雪解けの頃、天気のいい時に、一面の雪野原に反物を広げます。紫外線が雪に当たるとオゾンが発生し、生地が漂白されると言われています。
【重要無形文化財指定条件】
(1)すべて手うみした苧麻糸であること
(2)絣模様は手括りであること
(3)地機で織ること
(4)しぼ取りは湯もみによること
(5)地白のものは雪晒しすること
※指定品には「確認の証紙」「渋札」「割印」があります
【作家産地】「越後上布」