長板中形の藍染め作家 松原伸生さんの綿絽のきもの作品のご紹介です。
≪本物志向の方に向けての上質な浴衣≫、そして≪単衣の季節の綿着物≫としてご着用いただける着物です。なかなかない季節のアイテムで、松原伸生さんならではの色加減や型選び、何よりその誠実な仕事やお人柄に、ファンが多くいらっしゃいます。
素材は、ずっと触れていたくなるような本当に気持ちの良い、極上の滑らかさを誇る綿布。一度袖を通していただけましたら必ずややみつきになられることでしょう。
のびやかで風邪を感じる萩の柄。まさに小紋感覚でお楽しみいただける使い勝手の良い一枚です。
藍の彩りも、濃すぎず、浅すぎない、松原さんこだわりの絶妙な色調です。お顔映りの明るさも人気です。
代々受け継がれてきた伝統の『長板中形』の職人の技術。
数々の染色展で認められる松原伸生さんは、その技術を踏襲して、伝統を守りつつも、現代の人々に合ったものを作るべく、ご自身でも伊勢型紙を彫り、現代の人々の体型に合わせて、裄の長い方用の生地にも合う型を作り出すなど、オリジナリティのある創作活動を続けられています。
きもの上級者の方にこそご満足いただける綿着物の逸品です。
松原伸生さんならではの藍染めの美しさを是非この機会にご堪能ください。
松原伸生さんと「長板中形」について
松原伸生さんは、1965年、東京に生まれました。祖父は人間国宝の松原定吉氏。その息子たちは『松原四兄弟』と言われ活躍し、その一人である利男氏の息子が伸生さんです。
高校卒業後より父・利男氏に師事し、19歳の時に父とともに現在の千葉県君津市の工房に移りました。その環境は、森に囲まれた、よく陽の当たる、水の美しいところ。工房にいると猿の鳴き声が聴こえるようなきれいな自然に包まれた場所です。
『長板中形』とは、型染技法のひとつ。約6.5メートルの長いモミの一枚板の上に生地を張り付けて、渋紙の型紙を置いて防染糊を“両面”に引いていきます。それを天日に干して、生地に豆汁を引き、乾いたら、藍甕で浸染をします。
『両面に防染糊を引く』というのが大きな特徴で、まず表面に引くときには生糊(きのり:自然色は生成り色)に赤色をつけたもので引き、乾いた後、裏面に引くときにはその赤い色彩を頼りに、ぴったりと同じ場所に型を乗せていきます。渋紙の型は染める前に一晩水に浸しておくのですがすぐに乾いてしまうので、3回ほど型で糊を置いては水に浸すという作業を繰り返すという大変なもの。新たに型を生地に付けるときには、その直前の風合いに合わせるための微妙な力の入れ具合が重要だといいます。
こうして両面の同じ場所に糊を置いて藍甕で染める『長板中形』は、表裏ともに同じ柄になるので、白い部分が本当にくっきりときれいに浮かび上がるのです。(片面だけ糊置きをすると、裏面は全面藍色に染まり、白の背景に強く藍色を感じる色になります。)この、藍と白の明快な対比の美しさが『長板中形』の魅力です。
【泥染・天然染料-お取り扱い上の注意】
泥染や天然染料(藍染・草木染等)で染色された商品は、化学染料で染められたものと比較すると、日光(日焼け)や摩擦に弱く、ご着用に伴い少しずつ変色したり、多少色落ちすることがございます。ご使用の際は水濡れ・汗・摩擦等にご注意の上、ご愛用頂きますようお願いいたします。
特に、泥大島紬や藍染のお着物に白系統の帯をご使用の際は、色移りする可能性が高いので十分ご注意ください。
日常のお取り扱いについて
■変色の原因となりますので、濡れた状態で重ねたまま長時間放置しないでください。
■食べ物の汁・果汁・調味料・油等が付着しますと、シミの原因になりますので十分ご注意ください。
※天然染料は「酸」に対して弱いものがほとんどです。
■直射日光に長時間当たると紫外線により褪色・日焼けが起こりますので、直射日光が当たる場所での長期保管はお控えください。
※蛍光灯からも紫外線は出ておりますので、蛍光灯近くでの長期保管もお控えください。