■紬織 藤山千春・優子 二人展
会期:2024年10月18日(金)~20日(日)
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美術学校に通う夢見る高校生は、自分の中に潜む織音の記憶を手繰り寄せるように、そのまま美術大学の進路へ。あれから六十年の時が過ぎ、その母の背中を追うように優子さんも同じ道を歩むようになりました。
都心の工房では機音が響き、お二人の指先に走る瑞々しい幾数本もの染糸は心の思いを奏でるように織り成され、着物や帯となってゆきます。
やわらかな物腰で、「プラチナボーイも織り上がりましたよ。いかがでしょうか。」
その声の響きの底にある覚悟とほとばしる情熱は私たちの着姿に揺るぎない自信を与えてくれます。
こちらは、銀座もとじが繭からプロデュースしている極上の純国産絹糸「プラチナボーイ」の絹糸を用いて、藤山優子さんに織り上げていただいた特別な作品です。
江戸時代に生まれた「吉野間道」を、現代的な感性で織りなす染織作家 藤山千春さんのお嬢様で、同じく染織作家の藤山優子さんに織り上げて頂きました、大変希少な着尺作品です。
「吉野間道」とは、寛永の三大名妓、吉野太夫に京の豪商、灰屋紹益が贈ったと言われる、名物裂の一種、南蛮渡来の縞織物です。柳悦孝氏(柳宗悦氏の甥)らが復元し、藤山千春さんは一番弟子として師事、今や「藤山千春さん=吉野間道」と言われる代表的な織技法となっています。
草木染のあたたかみのある彩りと都会的な色選び。独特の畝の凹凸が生み出す立体性。なんともいえない光沢性の存在感と肌触りの心地よさは、他の織物では味わえない、唯一無二の喜びがあります。
こちらは茶とグレーの中間のようなニュアンスカラーが都会的なセンスの作品です。
上等な織柄のスーツを纏うような、洗練された大人の上質カジュアルが楽しめる贅沢な一枚です。
【作家産地】「藤山千春」
プラチナボーイについて
【プラチナボーイ】は37年かけて日本の研究者が開発した、世界で初めてオスだけの繭から作られた特別な絹。銀座もとじが繭からプロデュースし、すべての商品に作り手たちの詳細を記し、履歴のわかる“純国産”のものづくりを進めています。2015年には『農林水産大臣賞』を受賞。その開発から、養蚕、製糸、染織、着物につくられるまでを追ったドキュメントは一冊の本『天の虫 天の糸』に綴られています。
【銀座もとじの挑戦】プラチナボーイ
【和織物語】プラチナボーイ物語「天からの贈りもの」