2016年「紬織」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された、日本工芸会正会員、染織作家・村上良子さんの作品のご紹介です。
村上良子さんは、大学でグラフィックデザインを学ばれた後、昭和52年より人間国宝・志村ふくみさんに師事。
5年に渡る指導期間を経て、草木染めなどの天然素材を追求したご自身の紬織作品の創作に取り組まれています。
草木から採りだした透明感のある色彩を大胆な色面構成で魅せる、作品の数々。
師の志村ふくみさんの詩情あふれる表現とはまた違う、村上良子さんならではの独自の紬織の世界。
その技術と感性が高く評価され、2006年には京都府無形文化財「紬織」保持者に認定され、さらに
2007年には紫綬褒章を受章。
現在は、創作活動の傍ら後進の指導にも尽力され、倉敷芸術科学大学芸術学部にて染色と織の技術を学生に指導されています。
1977年 重要無形文化財保持者 志村ふくみ氏師事
1989年 第36回日本伝統工芸展 東京都知事賞
1999年 日本の工芸〈今〉百選展
2002年 第49回日本伝統工芸展 高松宮記念賞
2004年 日本伝統工芸展鑑査委員
2006年 京都府無形文化財保持者
2007年 紫綬褒章受章
2016年 「紬織」の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定
作品名:「春の海」
淡い藍から白への無限の諧調と、 その淡い藍に細やかに織り込まれた茜、薄桜、黄の美しい色糸が、 夢のように美しい織地をつくっています。
ふんわりとした空気感、空間性。一本一本の色糸の無数の重なりでつくられた色景色は、まるで印象派の風景画のよう。うららかな春の光を織りこんだような、神々しいばかりの美しさです。
裾に向かって濃く変化するグラデーションも着姿が美しく見応えがあると存じます。さりげなく多色を含んでいますので、帯合わせも様々にお楽しみいただけそうです。