綺麗なミントグリーンが一目で晴れやかな気分になれる絞り染小紋です。
飛び柄であしらわれたのは墨描きのふっくらとした花モチーフに黄色の絞り染の葉が大人の愛らしさを香らせる辻が花のデザインです。よろけ縞の紋意匠地を使用していて無地場にも豊かな表情が感じられます。華やかな印象は、普段使いの小紋としてはもちろんのこと、ちょっとしたお集りに軽めの袋帯を重ねても使い勝手が良さそうです。
バランスも綺麗で羽織・コートにもおすすめです。
「辻が花」とは
「辻が花」は、室町時代中期から江戸時代初めまでの間に制作された「絵模様絞り染め」の呼び名です。
鹿の子絞りとは違い、ひとつの絞りが葉一枚、花一輪、その形を表し、それぞれの色に染め分けられています。これは【輪出し絞り】という、とても難しい独特の職人技によるもの。地の色、花や葉の色ごとに絞り、染め、乾燥、糸ときを繰りし、さらには「カチン」という墨で花びらや葉脈を描き、隈取り(ぼかし)を施すという、大変な手間と技術が求められる技法です。
元は女性の小袖として着用されていましたが、後に男性たちにも広まり、武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など時代の頂点を極めた武将たちも愛用していました。また茶人、千利休や古田織部といった方々やその門人たちも折毎に好んで着用するなど、格の高い柄として確立されました。