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Vol.3 「アダン」

「アダン、ソテツ、ガジュマル・・・」 呪文を唱えているわけではなく、これらは奄美大島で出会える植物たちの名前です。 奄美の植物シリーズ、全3回に分けてお届けします。第1回目は、「アダン」。 南国の植物は、やはりスケールが違います。葉の大きさ、実の大きさ、群生の仕方、どれをとっても、太陽の光を受ける量が違うからか、にょきにょきとすくすくと分厚く育っていきます。 そうかと思うと、高山植物のように繊細可憐な淡い色の小花なども見られ、自然の生態系の多様さを思わせます。
こちらは、「アダン」。 パイナップルのような果実を持ち、細長い葉は1.5m以上にも伸びて放射状に広がったものが、にぎやかに密集して群生します。
アダン
50歳のときに自然風景に魅せられ奄美大島に移住した画家、田中一村(たなかいっそん 1908-1977)によって、奄美大島の花鳥風月が多く描かれました。アダンも一村によって多く描かれており、代表作に「アダンの木」という作品があります。 その絵に描かれた一本のアダンの木は、ちょうど画面中央に位置するように黄色い実をひとつつけ、まるでこちらに顔を向けている人物のように、見るものに静かに語りかけてくるかのようです。入道雲と海岸線を背景にした「アダンの木」というその絵は、何か深い郷愁を誘うように描かれており、絵筆を走らせた画家の心のうちに思いを馳せます。奄美大島に行かれたら、ぜひ「田中一村記念美術館」にも足を運んでみてください。

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