Vol.27 男物コート・実用性×おしゃれ度UP~男性着物の一揃え~|男のきものWEB講座

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男物コート ~実用性×おしゃれ度UP~

和装用のコートは、主に防寒・防雨のために用いられるものですが、そうした実用性ばかりでなく、現在では外出する際のおしゃれ度をいっそう高めてくれる和装品としても大変人気があります。

男性の和装用コートとしては、インバネス、角袖(かくそで)、雨ゴートなどの種類があります。コートの丈の長さは、雨ゴートを除いて半コート形状のものが多く、七分丈前後が一般的です。オーダーメイドの場合、丈はお好みで長さを決めていただけます。コートの素材や形状にも色々なタイプがありますので、好みに合わせて選びましょう。いずれも洋装にも和装にも活用できることから、男女ともに人気があります。

トンビコート

インバネス/鳶(トンビ)

「インバネス」「二重回し」「鳶(トンビ)」は、いずれも男性の和装用コートして用いられます。これらの名称は、しばしば混在して使われており、その呼び名は様々な解釈がされているのが現状ですが、それぞれの形状には少しづつ違いがあります。(右上の写真:ラム革製のインバネスコート)

インバネス/鳶(トンビ)
「インバネス(インバネスコート)」は、「Inverness coat」というヨーロッパ製の外套で、スコットランド北西部のインバネス地方で誕生したことがその名の由来となっています。一般的に取り外しが可能であるケープのついたものをインバネスといい、日本には、幕末から明治の初め頃に日本にもたらされ、明治20年代頃になって、これを着物用に改良し考案された「二重回し」や「鳶(トンビ)」といった和装コートが登場しています。

一般に、「袖のないコートにケープを一体化したものが「二重回し」、ケープの背の部分とコート背の部分の生地を一体化したものが「鳶(トンビ)」と呼ばれています。

この「鳶(トンビ)」は、「鳶合羽」とも呼ばれ、オリジナルの「インバネス」ともさらに混同して呼ばれることもありますが、現在では細部の仕立てやデザインも多様なものとなり、より現代の和装に合わせた提案が進められています。ちなみ「鳶合羽」の形は、日本の蓑とほぼ同じなのだそうです。

マント

マントコート
マントは袖のない外套です。全身をすっぽりと覆うため、薄着であっても暖かく、全身がゆったりとした着姿になります。マントは特に和装専用というコートではありませんが、足元以外は着物姿ということを感じさせない服装である点を好まれる方も多いようです。インバネスと同じく非常に人気の高いアイテムです。インバネスのようにケープを重ねてある形状の「二重マント」もありますが、インバネス状の「二重回し」を「二重マント」と呼ぶこともあります。

角袖(かくそで)

角袖(かくそで)

「角袖」という名称は、本来は着物の袖の形状を指すもので、男物に多く用いられるような、袖の袂部分に丸みを設けず、角張ったままの袖形をいいますが、男物の「角袖コート」のことを同じく「角袖」と呼びます。和服用コートの「角袖」は、正確には「角袖外套(かくそでがいとう)」といい、明治時代頃から主に防寒用として用いられてきたものですが、大島紬などで仕立てた薄手ものは、丈を長めに仕立てておけば雨ゴートとしても兼用できます。

雨ゴート

オリジナル雨ゴート
オリジナル雨ゴート
和服用のレインコートです。江戸時代以前は雨具として蓑や合羽が使用されましたが、明治時代になって、現在の形状のものが登場しました。現在は防水のため撥水加工を施したものが主流で、泥はねも防ぐよう丈は裾までたっぷりあるものを選んでください。持ち運びに便利で薄くて軽い生地のものがお勧めです。
オリジナル春コート(雨コート兼用)
オリジナル春コート(雨コート兼用)

道行(みちゆき)

和装用のコート言えば「道行」がありますが、この「道行」は、道行衿という四角いデザインの衿が特徴のコートで、現在は女性が用いる和装用コートの代名詞でもありますが、江戸時代には医者や易者などが着用し、もともとは男性用のものでした。