Vol.05 着物のデザイン~男のきもの入門~|男のきものWEB講座

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着物はご存知のように直線裁断による縫製で仕立てられる衣服ですが、洋服と異なり、着物の場合は、縫い合わせた糸を解き、全てのパーツに分離した後も、切り分けた通りに並べなおせば、また元の一枚の布の形になるのです。この驚くべき仕様は、世界に類をみない服であるといえるでしょう。衣服としての役目を終えたあとにも様々に形を変え、生活の中で活用される側面を持つ着物は、世界で最も完成されたエコロジカルな衣服であるといっても過言ではないほどです。

着物の裁断イメージ
着物の裁断イメージ

こうしたデザインと衣服としての設計構造は、縫い合わせる部分のパーツごとの交換を可能とし、襟や前身ごろなど、傷んだ部分を見えない部分の生地と交換することで、見た目も新しくしての着用を可能とします。さらには、染織りの技法や仕立ての工夫も、直線的なデザインも、すべては着る人のためのものといえます。

着物という和の衣服は身に纏うその瞬間にも、一枚の布であることを主張しています。この深い意味を、私たちが誇るべき自国の文化として知っておきたいものです。