大島紬 泥染め 男柄の最高峰 西郷柄 「戸口西郷」|店主 泉二弘明のおすすめの逸品

大島紬 泥染め 男柄の最高峰 西郷柄 「戸口西郷」|店主 泉二弘明のおすすめの逸品

店主 泉二弘明のおすすめの逸品
大島紬 泥染め 男柄の最高峰 西郷柄 「戸口西郷」

男柄の最高峰 西郷柄 「戸口西郷」
今月の店主泉二のおすすめの逸品は、薩摩藩出身の幕末の英雄 西郷隆盛にちなんで生まれた大島紬の「西郷柄(さいごうがら)」。
100年ほど前より各村々によるさまざまな絣柄の開発が盛んになりましたが、「西郷柄」ひとつを取っても、村々や集落が様々な柄を生み出しました。

今回ご紹介するのは、「戸口西郷(とぐちさいごう)」の最高の技術力を結集した、大変上質なひと品です。

集落ごとに開発された大島紬の絣柄

店主泉二は、奄美大島の龍郷町出身です。龍郷町の中でも、集落ごとに異なった柄が開発されています。龍郷町では、太平洋に面している「戸口(とぐち)」や「赤尾木(あかおぎ)」などで、「戸口西郷」、「赤尾木西郷」、また笠利町の喜瀬地区では「喜瀬西郷」などが作られています。「西郷柄」以外にも、今に伝わる絣柄は様々ございまして、「龍郷柄(たつごうがら)」や「秋名(あきな)バラ柄」など、その土地の植物や生活用具などをモチーフとして美しく意匠化された絣柄は、今でも大変モダンで、人気の高いお柄ばかりです。

男柄の最高峰 西郷柄

「大島紬の西郷柄は、男の中の男を演出する最高の柄です。」と、店主 泉二は、男気を感じさせるこの柄に惚れ込みます。

格子の中にさらに細かい絣柄が入る緻密で複雑な「西郷柄」は、分業体制で作る大島紬の製作工程のすべてに最高の技術力が必要とされます。

男柄の最高峰 西郷柄

この図案は、「戸口(とぐち)」や「赤尾木(あかおぎ)」で薩摩藩支配時代にはすでに生まれていたと言われ、明治時代の半ばに締機(しめばた)が導入されてからは更に細かい絣技術が生み出されました。大正5年頃、『技術的にも品質的にも素晴らしい』ことから、維新の三傑の一人、西郷隆盛の名前を冠して、集落毎の名をつけて「戸口西郷」「赤尾木西郷」と呼ぶようになりました。

西郷隆盛と奄美大島

西郷隆盛と愛加那が暮らしたかわらぶき屋根の木造の家
西郷隆盛と奄美大島との縁は、1858年に始まった「安政の大獄」で、西郷隆盛が薩摩藩を追われ錦江湾(きんこうわん)で入水自殺し助けられ、奄美大島に謫居させられた時からです。

西郷はその後、大島の名門 龍家の愛加那という大島紬を織る美しい島娘と結ばれ、一男一女をもうけ、3年ほど幸せに暮らしますが、薩摩藩藩主 島津久光公の命により、家族を残して鹿児島に復帰、その後幕末という動乱の中で波乱の生涯を終えます。
そして、現在にいたって「西郷」の名は、男性物の最高技術の結晶と言われる大島紬に脈々と生き続けているのです。