プラチナボーイ結城紬 地機 生掛 「ほのかな縞 墨紺」 (広巾)|店主 泉二弘明のおすすめの逸品

店主 泉二弘明のおすすめの逸品
プラチナボーイ結城紬 地機 生掛
「ほのかな縞 墨紺」 (広巾)

こちらは雄だけの蚕「プラチナボーイ」のとりたての繭から生のまま糸を採り、地機によって織り上げられた、極上の結城紬のご紹介です。

ふっくらとした手触り。体がつつみこまれるような優しいぬくもり。着るほどに肌になじむ結城紬は、何度もお召しになり、洗い張りをし、そして代々受け継ぎ、その味わいの変化をお楽しみいただける特別なきものです。

真綿
柄帳を眺めて打ち合わせ
デザインはシンプルでありながらも絶妙に洒落た色合せで織り上げられています。しっとりと深みのある墨色おびた紺地は、紺と墨糸の色糸がかすれすように織り成されており、ほのかな縞模様が大変お洒落なデザインとなっています。遠目では無地、でも近づくとさりげなく個性を感じさせるセンス良い仕上がりの作品です。

「糸の取り方」が特徴的な結城紬

「『西の横綱”大島紬”、東の横綱”結城紬”』昔からそう言われてきた二大織物。その結城紬の特徴はまず『糸の取り方』にあります。」と店主 泉二。

「大島紬やちりめん地などは、繭から直接糸の吐口を見つけて、最初の1本すーっと引きだしてから、糸を紡いでいく『生糸(きいと)』ですが、 結城紬はふやかした繭に指を入れて帽子状に広げたもの(上段落の右上写真)から、少しずつ糸に引いて紡いで作る『紡ぎ糸』(写真右)です。 この『糸取り』がまず最初の工程であり、とても重要なもの。 これが悪いと、凸凹とした生地になったり、製織時の糸切れ、染色時の色ムラとなる要因になります。」

糸取りのポイントは、<平らに均一に引くこと>、<経糸は太く、緯糸は細く引くこと>、<ツバで湿らせて引くこと>。 季節、朝晩、人によっても糸の出来上がりは違います。 それを絣括りする人が、長年の勘で「これは経に」「これは緯に」と使用を決めるのだそうです。1反分の糸取りをするのには、なんと2~3ヶ月もかかるというから驚きです。「生糸」と手間が全然違います。まさに結城紬の命と呼べるのがこの「糸の取り方」だと泉二は強調します。

「糸の取り方」が特徴的な結城紬

プラチナボーイによる「糸取り」

プラチナボーイによる「糸取り」
その結城紬の出来上がりを左右する、糸取り。一番大変なことは、織っている時に経糸が切れてしまうことで、切れると他から糸を持ってきて、切れた部分を繋ぎ合わせます。

繋ぎ合わせると言っても、絣を合わせなければいけませんので、その作業はなかなか大変なものなのだそうです。しかしながら、糸取りのベテランの職人は、経糸が切れても、 神業と呼べるほどの早業で、寸分のくるいもなく繋ぎ合わせる技を持ち合わせています。

けれどそんな職人の方に、プラチナボーイの糸で織り上げていただいたときの感想を伺うと、「とても強いから経糸が切れなくて、大変織りやすかった。思い切って強く打ち込みも入れられたから、”平ら”な生地を作ることができたんだよ。他の糸とはやっぱり違うね。20代は早く織ることばかりだったけど、今は時間もあるからとにかく良いものが作りたい。だから特別な糸を扱えて本当に嬉しかった。」そんな嬉しい言葉が聞かれました。