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第十一回:男のきもの 素材を楽しむ|泉二弘明の”きもの生活のすすめ”

皆さんご存知の通り日本には「四季」があり、昔から季節を先取りしてお召し物を変え、季節を五感で楽しむのが「風流」とされて来ました。 日本の伝統文化でもある華道、茶道、香道では今でも季節感を大切にしています。普段の着物も同じように、季節によって素材を変えて着心地や見た目を楽しみます。 これからの季節、まずは皆さんお馴染みの綿の浴衣をお召になってみてください。これは家で気軽に洗えるので、盛夏に汗を気にせず、花火大会や夏祭りなど楽しんで頂けます。次にお薦めなのは、家でも洗える麻の「小千谷縮」。これは普段着にもお洒落着にもなりちょっとしたお食事会などに着ていくことが出来ます。着物は締め付ける部分がお腹回りだけですので、素材の良さを体感できます。特に麻は蒸し暑い日本の夏にふさわしい素材で、風が身体を抜けて行き、洋服にはない涼しさを感じる事が出来ます。 更に夏の素材を極めるなら爽やかでシャキッとした張りのある「上布」がお薦めです。特に「能登上布」は男性物が主流で、家に男児が生まれるとその子が家を離れる時には必ず一枚は作って持たせたという習慣があったと言われています。品質は堅牢で、「能登上布の白絣は一生もの」と言われていました。 男のきもの商品の紹介 また、袷の時期の織の着物の中で是非お召し頂きたいのは、東西の横綱と言われる「結城紬」と「大島紬」です。「大島紬」は青い海と空に囲まれた奄美大島と鹿児島で作られる絹織物で、軽く裾さばきが良く独特のシャリ感と衣擦れの音が心地よい織物です。皺にもなりにくく、小さく畳めて嵩張らないので、旅行鞄にすっと入り便利です。 一方の「結城紬」は真綿から手紡ぎした糸を手織りで仕上げた極上の織物で温かくて肌触りが良く、糸自体に弾力性があってなおかつ軽いのです。手紡ぎした糸は、中に空気が含まれるのでそこに体温が伝わり保温性が更に良くなると言われています。この東西の横綱の「結城紬」「大島紬」はお求めになれば一生ものですから、是非一度はお召しになっていただきたいものです。

 

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