第四回:男の着物は寸法が命~美しく格好良い着姿を目指して~

男のきもの入門~きもの生活のすすめ~第四回

男の着物は、「寸法が命」です!
女性はおはしょり(長めの身丈をたくし上げること)で調整が可能ですが、男性はおはしょりをしない「対丈(ついたけ)」のため、ごまかしが効きません。やはり、せっかくお仕立をするからには、ご自身のお体にちょうど良くフィットした、着易い、また美しく格好良い仕上がりを楽しみたいものです。

仕立てのポイントとなる主な寸法の箇所は、身丈(みたけ)、身巾(みはば)、裄丈(ゆきたけ:背の中心から袖口まで)、衿先(えりさき)の出具合、(生地を縫い込んである)内揚(うちあ)げの位置の5カ所。

男性の「身丈」の目安は、着た時にくるぶしが隠れるぐらいですが、着物は、角帯(かくおび)を締めると少し持ち上がるので、着た時には裾が床に着くぐらいの長さがちょうどよいでしょう。

「身巾」は、右脇縫いと衿下がちょうど重なる位が目安です。「裄丈」は腕を斜め45度位に上げた時に手首の骨が隠れるくらい。「衿先」は角帯の下に出る部分が7、8センチほどの長さに、「内揚げ」は角帯の中に隠れるようにした方が格好いいでしょう。
銀座もとじ主催の「宮中料理の会」の会場にて、挨拶をする店主 泉二弘明。42歳ごろ。

男性の場合、身長、スリーサイズから割り出した寸法だけでお仕立てを進めても、体形の特徴がさまざまですので、体に合わないことがあります。そこで私どもの店では、「仮縫い」というサービスを行なっております。つまり完成する前に一度仮のお仕立てをし、お客さまにご来店いただき、実際にお召しいただき、角帯も締めます。体型にフィットしているかどうか、調整が必要な箇所をしっかりと確認をしてから、本仕立てに入ります。

実際にせっかく仕立て上がりを楽しみにしていたものが、いざ着てみたら、丈が短すぎたり、身巾が広すぎたりと、がっかりするような結果になることを、「仮縫い」の段階があることで防ぐことができます。「仮縫い」は、より安心して、楽しみに仕立て上がりをお待ちいただくための大切なサービスです。

さて、仮縫いが終了して、いよいよ本仕立てに進むと、後はできあがりを待つだけ。通常ご注文から約1カ月かかりますから、この間、ぜひ帰宅後は、浴衣など和服に着替えて、洋服との感覚の違いをつかんでいきましょう。2、3週間すればだいぶ慣れて自信もつきますし、自分に似合う心地よい角帯の位置もわかってきます。「習うより慣れろ!」それが格好良い着物姿への近道です。