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Vol.64 着物のしまい方|男の着物人生、始めませんか

畳紙(たとう)しの成分がトラブルのもと

かつて着物は、畳紙に包んで桐のたんすにしまっておくのが最良の方法とされてきました。しかし虫干しをしない最近では、実はこの紙がしみやカビ、色褪あせの原因となってしまうことがあるのです。 紙には糊分(のりぶん)や硫黄成分が含まれていて、特に梅雨時に湿気を含むと、それがガスとなってたんすの中に充満し、汚れを進めたり、カビを生やしたり、また、縮みの原因になります。着ないでしまっておいただけの着物にしみがつくのはこのせいです。 絹は生き物で、呼吸しています。畳紙に包まれるよりはたんすにそのまましまっておくほうが着物にはやさしいというわけです。

畳紙を使用する場合は年2回の虫干しを

畳紙をお使いになりたい場合は、必ず年2回、湿気の少ない10月~3月の間に着物に風を当ててください。10月~11月に1回、さらに2月~3月に1回、3~4日天気のよい日が続くときの2日目から3日目を選んで、朝10時ごろから2時頃まで、畳紙を畳みの上に広げて、着物はたたんだままの状態で風を通していただくだけで構いません。 しかし例外として、黒紋付などのめったに着用なさらない、また、いつお召しになるか分からない着物については、着るたびにしみ抜きをし、畳紙には入れず、できるだけたんすの上の段にそのまましまっておかれることをおすすめします。

防虫剤の使い方

もう一つ問題なのが防虫剤です。これも入れすぎると、しみの原因になります。たんすの中の空気は上から下に流れますから、一番上の段の引き出しの四隅に、一つずつ入れておくだけで十分です。

着物にやさしいイチョウ葉の防虫剤

着物に一番いい防虫剤はイチョウの葉です。秋に黄色くなって落ちた葉を集めてきれいに洗い、2~3日ほど日に当てて乾燥させます。(イチョウの葉を電子レンジにかけて乾燥させても構いません。) これを糊抜きした晒(さら)しやガーゼで作った袋に入れて、着物の上に直接置いておきます。イチョウの葉から出る「シキミ酸」という酸は、着物には害がないのですが、虫がとても嫌がるガスなので、これによって虫が寄り付くのを防ぐことができるのです。この手作り防虫剤ですと、いくら入れても大丈夫ですし、1年は効果が持続します。

しまう前には必ず汚れを落とす

絹を食べる虫はほとんどいませんが、紙の糊を食べる虫がいて、汚れがあるとそこに卵を産み、その卵から孵化した幼虫が、成虫になるまでの餌として、汚れと一緒に絹を食べてしまうのです。着物をたんすにしまう前は、汚れがないかご確認ください。

 

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