Vol.31 兵児帯|男の着物人生、始めませんか

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くつろぎ用の帯「兵児帯」

角帯よりカジュアルな、やわらかい生地でできた扱(しごき)帯が兵児帯です。扱き帯とは、並幅の布を縫わずにそのまま扱いて締めるもので、子どもの浴衣に結ぶ、長い布のような帯を想像していただければお分かりになるでしょう。

ちなみに「兵児」とは、鹿児島地方で、15~25歳の成年男子を表す方言で、明治維新で袴に替えて軍服を着るようになった薩摩藩士の若人、つまり、兵児が刀を固定するために白生地を腰に巻いていたものが由来と言われています。

「三尺帯」と呼ばれることもありますが、本来は別ものです。三尺帯と申しますと、古くは三尺の手ぬぐいを用いた短めの綿の扱き帯のことを指したものでした。後に長さに関わらず、扱き帯をそう呼ぶようになったことから、子ども用の兵児帯を指す場合もあります。

兵児帯の締め方

一般的な兵児帯は、並幅の羽二重、縮緬、メリンス、モスリンなどの布を用い、そのまま胴に回して蝶結びにしたり、巻き終わりを挟み込んだりします。紬や綿の兵児帯もあり、こちらは幅広なので、三つくらいに折ったり、自然にくしゃっと丸めたりして幅を狭くして結びます。

部分的に絞りを施したものや、中には総絞りの高級なものもありますが、兵児帯は基本的にはくつろぎ着にあわせるもので、正式な場には向きません。

ただ、ちょっとした外出に兵児帯を合わせるのも格好よく、おしゃれです。「どんなときも兵児帯」という兵児帯ファンも時々いらっしゃって、何とも粋に着こなしていらっしゃいます。

軽装帯(けいそうおび)

兵児帯と角帯の中間に当たる「軽装帯」と呼ばれる帯もあります。胴に巻きつける部分に芯が入れられ、そのほかのところが柔らかくなっている帯です。これも兵児帯同様、くつろぎ用の帯と考えておかれるといいでしょう。