“白鷹天蚕ものがたり”トーク会を開催しました|今日の店主

2018年11月17日(土)、銀座もとじ和織にて「“白鷹天蚕ものがたり”トーク会」を開催。
白鷹町副町長・横澤浩さん、しらたか天蚕の会会長・須田信一さんをはじめ、天蚕の飼育担当、繰糸担当、織り担当、さらにチームをまとめ推進力となってくださった商工観光課の方々がお見えになりました。
「オール白鷹の一反を作るべ」
代々「お蚕様」に支えられてきた白鷹町から養蚕文化と天蚕の技術を途絶えさせたくないと、
行政と作り手とが一丸となって取り組み夢を叶えた美しい反物。秋に完成した3反目の反物は、本日のトーク会を待たずにご縁をいただいております。
「私たちが作ったものを、1億人の中からご縁を見つけてくださるのがもとじさん。それによって、私たちは作り続けていくことができます」
商工観光課の方々に続いて、織り手の方へマイクが渡されます。
「一本織っては(筬で)叩き、一本織っては叩き、を2万回繰り返します。手で繰った糸を織ると、節のひとつひとつに糸を繰った人の顔が思い浮かびます。飼育、繰糸のみんなの苦労を引き受けて織っているんです」
さらに続けて、いつも心に大切にされている一遍の詩を読んでくださいました。
「暮らしの中に 夢を求めた
手作りのわざ 手にすれば
土の息吹 風の香り 人のぬくもり」
この静かな詩は会場にお集まりの皆様の心にもしみ入り、涙される方もいらっしゃいました。美しい反物は、白鷹の自然が育んだ素材と、携わる人の美しい心とで作られているのでしょう。
また当日は、これまでにご縁をいただいたお客様がオール白鷹の着物をお召しになってご参加くださいました。
「音楽会で客席の照明が暗いときにも、『あなただけ光っていたわよ』と言われました」
「何も手が加えられていない自然のままの、神々しい美しさを身に纏えるのはこの上ない喜びです」
美しい着姿に、白鷹町の皆さんもうっとり。反物まではご覧になられたことはあっても、実際にお着物としてお召しのところは初めて目にされ、感極まっていらっしゃいました。
「次回の4反目はいつ完成するかわからないけれど、どうか楽しみに待っていてください」
力強く頼もしい言葉をいただきました。次回作ももちろん銀座もとじのお客様へご紹介してまいりますので、ぜひご期待ください。