銀座もとじのものづくり

レポート09 茨城県稲敷郡 プラチナボーイ
2016年2月24日「プラチナボーイ ~一本の糸から~ 平成27年度 日本農林漁業振興会会長賞 受賞記念展」に向けて

「プラチナボーイ」は、オスだけの繭から紡がれる糸による特別な商品として、銀座もとじが、2007年から皆さまにご紹介してきました。

「オスの繭のみ」から紡がれる糸を作るというテーマには、世界中の学者が長年取りくんできました。卵を産まないオスの蚕は、メスよりも20%ほど多く、身体にあるたんぱく質をすべて糸に吐き出すことができるため、メスの蚕が作り出す糸に比べて、艶も丈夫さも糸の長さもそして細さも特別で、それによってできあがった商品は従来のものとはまた異なる優れた特徴をもった商品ができあがります。

開発を競う中で、2005年、日本の研究者が37年の歳月をかけてついに成功したのです。

その成功者は、大日本蚕糸会・蚕業技術研究所の大沼昭夫博士を中心とする研究者たちでした。世界一の糸を求めて一生を研究に注いできた専門チームです。

店主泉二と大沼昭夫博士(写真右)と井上元博士(写真中央)店主泉二と大沼昭夫博士(写真右)と
井上元博士(写真中央)

オスだけの蚕「プラチナボーイ」から紡いだ糸は、その名の通りプラチナのように美しい光沢を持ち、プラチナボーイを用いて製品化されたものは、「糸が細くて切れにくく、丈夫だ」 「軽くてシワになりにくい」「白くて光沢がある」「毛羽立ちが少ない」といった評判を得て、オスだけの繭から紡がれる「プラチナボーイ」は、まさに求めていた質の高いものであることが分かりました。

新蚕品種としての「プラチナボーイ」そして、その繭から紡がれた生糸や白生地から作られた商品のブランドとして、銀座もとじがプロデュースに携わって約10年の月日が経ちました。

「プラチナボーイ」が特別なのは、「オスの繭」のみから紡がれるという特徴だけでなく、プラチナボーイの繭を飼育する養蚕農家、製糸業者、製織業者、そして銀座もとじが商品プロデュースを担い、販売業者として、川上から川下までが一体となり、「チーム」でのものづくりを行ってきたという点です。

チームでのものづくりにより、各関係者が横の連携を図ることができ、前後の工程を理解しながら、それぞれが技術や質を改善したり、お客様が本当に求めているものが何であるか、現代にニーズに合ったものづくりを行っていくことができるようになり、最終的にお客様の手元に届く商品の質をより高めていくことが可能になりました。

この度、この10余年の活動が評価され、「“絹を未来に”プラチナボーイ研究会」は、2015年10月21日、『第54回 農林水産祭 蚕糸・地域特産部門 日本農林漁業振興会 会長賞』を受賞いたしました。

「“絹を未来に”プラチナボーイ研究会」は、販売店である銀座もとじ他、東京都日本橋・京都府・新潟県の織物・流通業者、および、茨城県・千葉県の養蚕農家、群馬県の製糸業者から構成されています。

表彰式の模様表彰式の模様
「“絹を未来に”プラチナボーイ研究会」のチームでいただいた表彰状「“絹を未来に”プラチナボーイ研究会」のチームでいただいた表彰状

今回の受賞に先立つ、2015年5月「“絹を未来に”プラチナボーイ研究会」は、「農林水産大臣賞」を受賞しており、さらにこの度、全国の農林水産大臣賞受賞者の中から選抜され「日本農林漁業振興会会長賞」の受賞に至りました。

より質の高いものを求めて、ものづくりのバトンを渡しあってリレーを進めてきたのが、「“絹を未来に”プラチナボーイ研究会」のチームです。

これもひとえに、プラチナボーイを応援してくださった皆様のお陰と心より感謝しております。今月、銀座もとじでは、受賞を記念して、「プラチナボーイ ~一本の糸から~ 平成27年度 日本農林漁業振興会 会長賞 受賞記念展」を開催いたします。

受賞記念展では、20名の染め織りの作家の方々とともに制作した作品をお披露目いたします。

【染めの作家】藍田正雄 生駒暉夫 内田万里子 菊池宏美 仁平幸春 湯本エリ子
吉岡幸雄 四ツ井健 坂井教人

【織りの作家】大髙美由紀 岡山佳嗣 久保原由佳理 下井伸彦 服部秀司
平山八重子 益田勇吉 山岸幸一

結城紬

【縫い】森康次

【特別出品】 伊藤裕子


2月催事:プラチナボーイ 〜一本の糸から〜平成27年度 日本農林漁業振興会 会長賞 受賞記念展